2008/04/25

春のフィレンツェ

























はものすごく美しい。
トスカーナ地方の家々は、だいたい薄黄色の壁をしています。
春の新緑のためにこの色にしたに違いない、と思ってしまう。
冬のトスカーナはいまいち美しいとは言えないかもしれません。

雪もあんまり似合わないし、第一あんまり降らない。そのわりには寒い。極寒。
春はもう緑が至るところにあって、藤の花が満開。

人々は外に出てくるようになって(冬は文字通り冬眠w)
カフェの外の席なんてもう楽しくってしょうがない、て感じです。

なのでへたっぴながら写真をとりに散歩。

嵐の後のお天気。気持ちいい~。アルノ川は水かさが増してそれはそれでなんだか絵画的。

2008/04/02

建築現場@フィレンツェ

今日、フィレンツェの近くのエンポリというまちにある設計事務所が持っている 小さなプロジェクトの現場に連行してきました。 1900年代初期のパラッツォの改装。5つにわけて賃貸アパートにするのだとか。 レンガ造。 ふさがっていた屋根裏に穴あけてバルコニーをつくる計画。 計画自体は至って普通だけど構造とかもともとのつくりとか ものめずらしいが故に、かなりおもろかったです。 レンガもかなり進歩しているもよう。 軽くて強いのとか、後でモルタル塗りやすいようにだとか。。。 うーん、でも昔のレンガの方が情緒的なのは否めないけれど。 1900年といえばイタリアではかなり新しい方です。 もっと古い中心地にあるのは石造りです。 農村とかはレンガ造もあります。 このおうちも19世紀の都市計画の大改造の時につくられたエリアです。 住むにはこのくらいの新しさの方が便利ですけどねぇ。。。光も入るし。てちょっと本音。 今住んでるアパートは1500年代。 インテリアは改装してるけど暗いのは避けられない。 しかし、日本でレンガ造の施工現場は見たことないのですが 所々割れてたりしたんですが…これってイタリアだから??だよね。 まあ、ずれてるのは見なかったことにして。 地震がないってステキ。 そんなイタリアにも3月初めに地震があったとか。

2008/03/07

トラ・トラ・トラム(その3)





しつこいけど、ついでにパリのトラム。

今年の年明けにパリをうろうろしてたときに乗りました。
あるなら乗ってやろうじゃんか。

T3という3番目にできた線が鉄子のお気に入り。
芝生の上をすいすい~。アムステルダムを彷彿とさせます。

このT3 は城壁を解体したあとに作った
環状道路ブルヴァール・デ・マレショーBoulevards des Maréchaux
の上に走っています。

この環状道路の内側にはもう一つ、トラム路線の候補として
あがっていたプティット・サンチュールligne de petite ceinture
(小さいベルトって意味。最後の図の紫の線)という
ブールヴァールがまだ城壁だった頃に作られた
内側を走る環状線があるのです。今は放置プレー。

なぜこっちにこのT3 が走らなかったか。
話によると、このプティット・サンチュールの上に
将来鉄道を走らせたいが故に、鉄道会社が反対した。

もうひとつは現在使用している環状道路に
トラムを走らせると、当然車はすいすい通れなくなる。
意図的に車を使うことを不便にして
トラムを使わせる、という手段。

これはトラムを走らせる前から車線を3車線から
片道1車線に減らして、トラムの開通の賛同を得ようという
作戦なんだとか・・・。

なんかすごーくパリっぽい。。。

いやはや、しかしパリってのは
ものすごく人口密度の高いところらしいのです。
確かに、フランスの人口の半分がパリ(郊外を含め)に
住んでるんですね。その上外人も多い。

でも絶対ギャラリー・ラファイエットの前と
伊勢丹の前を比べたら伊勢丹の方が断然窒息するw

この車両も大してかっこよくないんだけど
走ってる場所が結構郊外で
新しい建物がごーんごーんて建っているところも
走るのでそんなに違和感はありません。

次はどこのトラムに乗ろうかな。

2008/03/06

トラ・トラ・トラム(その2)



















フィレンツェのトラムについて。

こっちのトラムはTramviaトランヴィアと呼ばれています。(fig.1)

Viaってのは通りって意味です。
全部で3本あります。(fig.2)

1号線はフィレンツェの西にある郊外のスカンディッチ(Scandicci)から,
中央駅であるサンタ・マリア・ノヴェッラSMN駅前へ,全長約7.5km。

2004年の12月着工。未だ40パーセントしかできておらんとか・・・。
2008年には完成予定らしいが、もう今年が2008年だよー!!

3号線は北のカレッジCareggiというところから
SMN駅まで。いずれも郊外と結ぶ交通ってやつです。

物議を醸し出しているのは2号線。
空港から出発し、SMN駅を通り、そこから洗礼堂の脇を通って
ドゥオモの手前で左折(fig.3)、 そこから北上。
サン・マルコ広場(サン・マルコ美術館、アカデミア、大学などがあつまるエリア)を
通り、北の大広場でぐるっと旋回してまたサン・マルコまで戻ってくるというやつです。
全長9km。

ただいま反対運動炸裂。

洗礼堂の前にあんな乗り物をがーがー走らせて
景観を損なうじゃないか!振動で芸術作品がダメージを受ける!
という反対意見。

この線への賛成か反対かの投票が行われることになりました。
それにしても反対派の作ったこのパンフ・・・かっちょわるー。(fig.4)
確かにこれ見たら、反対したくなりますね。
それにUNESCOも反対し出したとかで、全体的に反対ムード。

うーん、でも今だってバスがそこを通ってるんだから
それがトラムになったからって、見た目は変わんないと思うんですがね。
振動に関しては、中心地では特殊な振動吸収素材を敷く予定だとか。
ドゥオモ付近は300mほどを架線レスにして景観保護あぴーる。
ついでに全部やっちゃってくださいな。

ただ、この計画には既に莫大なお金がかかることになっていて
計7億ユーロ(1110億円, 20083月現在)。ほんとに実現するんですかーていう謎。

さらにこれは単に見積もりです。
予測では10億。・・・でもね、それで済めばいいよね。

ヴェネツィアに建設中のカラトラヴァが設計した橋があるんですが
これが最初の予算から10倍かかって大論争。新聞の一面になってました。
はぁ・・・。イタリアってこんなのばっかり。

個人的には、トラムのアイデア自体は悪くないと思うけど
トラムのデザインが悪い(笑)

フィレンツェも戦前はトラムが走ってたんですね。(fig.5)
ミラノとかリスボンは今でも古いトラムが走ってて素敵だけどね。
しかも市民に愛されてるって感じがします。(←これは希望的観測)

それ使えばいいのに。そういうこと言うとちゃちーいレプリカとか作っちゃうからやめよう。
もしくはお金使いついでに
めっちゃかっこいいの作るデザイナー起用してください。

おねがいだから。

それから車制限も一緒にやんないと
そんな奇跡はは起こんないよ。
だってやっぱり車って便利だもん。

それからそれからディーゼル車やめてください。
窒息する。。。
去年は白かったドゥオモのファサードはヤニだらけ。

しかし話は投票に戻りますが、このSì (Yes) とNoがまたため息ものでして
Sì だとこの線のトラム建設に反対、なんです。

。。。わかりにくー・・・。

この国にわかりやすく、効率よく、て概念は存在しません。

いつになったら産業革命がくるのやら。

もしくはもう一生来させない、って選択もありますが。どうでしょう。

2008/03/01

トラ・トラ・トラム(その1)






















フィレンツェでかなりの物議を醸し出しているトラムですが
そんな時代遅れ都市をそっちのけで
気づいたらシアトルにトラムが走ってました(fig1)。

開通したのは昨年の12月12日。

ラインは一本。ダウンタウンの北の端、ウエスト・レイク・センターから
サウス・レイク・ユニオン地区まで。
1.3マイル(約2.1km)。(fig2,3)
かなり短いです。実験的に一本走らせたとういう感じでしょうか。

ウエスト・レイク・センターってのはトラムとは別方向に、
パシフィック・サイエンス・センター(スペース・ニードルとかゲーリーの美術館とかがあるところ)にでてる
モノレールの発終着点でもあります。

サウス・レイク・ユニオン地区ってのはうーん、
倉庫とか、お店もちょこちょこあるけれど
高速の出入り口があるので車がぎゅんぎゅん通って
あんまり歩いていてウキウキするところではありません。

ダウンタウンと北の湖、西の高級住宅街に東のその高速道路に挟まれて
いわゆる放置されてるところなんですね。

要はこの地区の再開発を兼ねて
世界的ふぁっしょなぶるトラムを導入しちゃおう、てわけです。

これだけ原油の値段が上がって
温暖化が進んでる以上、車削減のためのエコ都市としての価値は大いにあるのではないでしょうか。 それに交通渋滞はどこでも問題。シアトルは最近まで米ワースト5位。
しかし公害を減らそう、てスローガンはかなり控えめに打ち出される気がします。
その代わりに便利になるよー、発展するよー、便利だよー、て。
ヨーロッパみたいにやっぱり歴史建築が真っ黒になっちゃうのはまずいから
公害減らそう、ていうモチベーションもないだろうし。それは日本もしかりか。

それにシアトル自体は空気キレイなんです、ゴミゴミしてるところがないからね。
自然と共存する都市ってのがこのコ売りです。

それにしてもフィレンツェだって都会じゃないくせに
なんだってあんなに空気が悪いんだ。。。密度高すぎ、鼻の穴真っ黒ですよ。
フィレンツェの場合は公害が少なくなるよー、て言えば
結構賛成人数が増えるんじゃないかなぁ(笑)

ちなみにシアトルのトラムはストリート・カーStreetCarと呼ばれてます。
あくまで「車」がいいのか・・・。いやいや実はそんなシアトルにも
昔トラムがあったんですねー。1902~1918年に建設して1941年まで。
そのときの名前がストリート・カー。
でもね、お金かかりすぎて潰れちゃったの。そのうちにバスとか車が勝っちゃったのね。

今回のストリート・カーの総工費は5120万ドル(約53億2千万円)。
工期は1年4ヶ月。乗り心地は良好。
私は都市計画史を勉強してるとかは関係なくって、結構鉄子なんです。
トラムってするするするーっていう水平移動がなんとも好きです。

これからもっと北方面やダウンタウンにも路線を進める計画があるようです。
システムはバスと同じ。ダウンタウン内はバスは無料です。
だからダウンタウンに走れば 無料になる、はず。

近郊の都市のタコマ(空港のあるところ)やポートランドではほぼ全線が無料。すごいね。
ネットと交通が無料になったら結構新しい都市が見えてくるのかな、て気はします。
びゅんびゅんっていう未来都市。貧富の差が移動に反映されなくなる。
未だ交通はさすがに地を這わざるをえないか。

ちなみにそのトラムとバス、高速の出口が集中する
サウス・レイク・ユニオンにAmazonが移転計画を練っているだとか。
Amazonを支えてるのは運輸だもんね。めざとい◎

2008/02/06

Scarpina スカルピーナ








カルロ・スカルパ傾倒者のことをこう呼ぶらしい。


女はスカルピーナ、男だったらスカルピーノ。



~イーノってのはちっちゃいなんとか、って意味です。

なんか、響き的に、スカルパの1/10サイズの小人みたいじゃないですか、足下とかをうろちょろしてる。

というわけで、スカルピーナ、ブジナーロ邸に行ってきました。

といっても建築見学ツアーとかでもなんでもなく、
スカルパの息子、トビアとブジナーロさんの奥さんと息子たちの昼食会になんでかしらんが同席。

け・ふぁんたすてぃこー。

しかもブジナーロ家はちゃんとしたおうちなのでみんな文化人でノービレ。
葉巻を吸う姿が似合うったら。

ほら、ちっこい日本人が来たから一瞬にしておもちゃと化す。
甘いもの食べさせたり、ワイン飲ませたり、ついには葉巻を吸わせたくってしょうがない。

息子トビアも73歳って言ってたかな?
もうおじいちゃんの年なので私なんか孫みたいなもんです。

本人もデザイナーであるとは言え、
カルロ・スカルパの息子としての人生はそう簡単ではなかっただろう。
それを超えてのあの人間性。
もう建築的センスがあるとかないとかじゃないです。

きっとそういうことを見に、はるばるイタリアまで来たんだろうな。

言っていることが全部わかったら、とこのときほど思ったことはなかった。
(まあ、わかんなくてよかったことの方が多いけどw)

写真1)突然入り口の寸法を測り出す。でもやたら楽しそう。
写真2)ブジナーロ邸正面
写真3)キッチン
そして写真の勉強をもっとしてればよかった、とこのときほど思ったことはなかった。。。

2008/01/04

Bonne Année !







新年明けましておめでとうございます。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。


1月1日早々、墓参り(?)。

パリ市内の北東に位置する墓地、ペール・ラシェーズ(Cimetière du Père Lachaise)に行ってきました。

19世紀のパリ近代都市改造の立役者、ジョルジュ・ウジェーヌ・オスマン指揮。

本人のお墓もあります。

ここのお墓はかなり著名な人間が埋まっていて家族ごとに小さい礼拝堂のようなものがあります。

入り口から奥に向かって起伏があり、上に登って下を見下ろすと、とってもキレイな眺め。


敷地はかなり広く、43,930㎡。墓石どうしも結構幅があるので、あんまり気味の悪い感じはしません。

公園に近い。

もちろん、日本人にとっての気味の悪さはひゅー、どろどろ~、てやつですが。


この時期に建設された公園がイギリス式庭園の手法をとっているように

この墓地でもフランス的幾何学の区割りではなくゆるやかなカーブを描く小道で構成されています。

でも中心にびゅっ、て大きい通りを貫くのはやっぱりフランスだからかな?


ちなみに、この墓地、レンタルらしいです。

30年ごとに家族が支払いをするんだって。

払えなくなったら掘り起こして移動するらしいです、ぎょー。